絶望感

  小さい頃は夜が来ることが悩みで、お化けのことも考えたりしたし、動物園からトラが逃げてきて襲われるんじゃないかとか考えて眠れなかった。毎日暗くなってから帰ってくるお父さんはさぞかし怖いだろうなあと思って、いつも可哀想だと思って泣いたりしてた。怖かったから、一人で留守番とかも出来なかった。夜が毎日くることが嫌だった。夜は当たり前のように毎日くるのに、怖がりすぎてこのまま一人で生きていけないんじゃないかって思ってた。けどもう今は夜の方が好き。

 中学生から大学生ぐらいまでは、人の多い電車が苦手だった。好きな人なんていないですよね。わたしもその一人で、全然大した満員でもないのに、少し人が増えて奥に立つことになってしまったら降りれなかったらどうしようと思ってずっとそのことばかり考えて汗を握りしめてた。電車に乗る、そのことがすごく憂鬱だった。この先電車に乗って通勤をする人生になるだろうに私はなぜこんなにも意気地なし何だろうと思ってた。けど今はドアは案外長い時間あいているし「すみません」と声をかけて掻き分けて出ればいいと思ってツイッターばっかできてる。

  前にも書いたけど、高校生の時は静かなところがトラウマになった。自分の体の音が聞こえてしまうのが嫌だった。15分の読書の時間、小テスト、定期テストとか、大体のものを密室の静寂が怖くて保健室で受けるようになった。恥ずかしかった。食べたくないのに食べ物を詰め込んだ。TOEICや資格試験で長い時間詰め込まれる予定が決まると怖くて泣いた。教室で頑張って受けてても集中できなくて、こっそり腕を引っ掻いた。友達にはいつも「無理やねん〜〜♡」って笑ってごまかしてた。大学の講義は長くなるのに耐えられるか考えた。この先大人になって仕事をするようになったらずっと静かなところでいるんだと思ったら今後人生をかけて悩むんだと思った、うまく生きていけないような気もした。でも今は、あんまり気にしてない。あんなに気にしてたのに、お腹から音がなろうが結構どうでもいい。あと全然学生の頃より、案外密室空間に閉じ込められることもなかった。

めちゃちゃすごいちっぽけなことだけど、自分が弱いせいでこれからの人生に絶望することも多々あった。書いてないこともたくさんあるけど、いくつもあった。社会人になってからもあった。

今後の人生を思うと辛い、こんなんじゃわたしは、と全て捨ててしまいたいと思うことはたくさんあったけれど、人はずっと今の環境で、今の自分のまま生きていくわけじゃないんだって思う。いろんな物や人と出会ったりして、少しずつ形を変える。同じことの連続で先の見えない砂漠のように見える毎日でも、思いがけない出会いがあって毎日がすこし楽しくなったりもする。たまに弱くなったりもするけど、ちゃんと強くなったりもする。